国際語エスペラント博士とエスペラント原典

はじめに

私は学生時代にエスペラント語を習った。しかし、何が何でも合宿というエスペラント会の体質が嫌になり、止めた。エスペラント語の教育は、受験英語の真似と直接教授法だった。
2006年4月、ザメンホフ(Zamenhof)が作ったエスペラントの最初の教科書(第一書Unua libro)の日本語訳を買った。エスペラント博士著『国際語』(水星舎、倉内ユリ子訳)である。
見てみると、ザメンホフ(Zamenhof)が考えていた語学学習は、受験英語とは異なり、直接教授法とも異なるのである。
まず、国際語の文法と単語を決めた方針を述べている。次に『聖書』からの抜粋他の読み物が7頁。次に文法4頁(アルファベットと16条の文法)。最後に923語(派生語を含めると999語)の単語集。立派な学習書である。第一書Unua libroという呼び方は不適切である。私は『エスぺラント始まり学習書』と呼ぶべきだと思う。
私が驚いたのは、単語集である。A4の紙1枚の表裏に収めてあるのである。単語表と言うべきである。最も重要なことは、この教科書が1日で読めることである。以下、ザメンホフが示すエスペラントの学習法を示す。
下の写真2枚は、エスペラント博士著『国際語』(水星舎、倉内ユリ子訳)。紙切れは単語表。


1. エスペラント博士著『国際語』を1日で読んで復習反復

エスペラント博士著『国際語』(水星舎、倉内ユリ子訳)の学習方法は、16条の文法と単語表を1日で読んで復習反復する。これをエスペラント語の読み物が分かるようになるまで続けるのである。
日常聞く読む単語の約9割はエスペラント博士著『国際語』の単語表に入っている。これを習得しておけば、辞書を引く手間が大幅に減るのである。
単語表はコピーして使いましょう。原本が破れないようにしましょう。
アンデルセン童話の最初の話である「火うち箱」Fajriloの朗読がYouTubeにある。字も書かれている。27分。日本語で「火うち箱」を読んで、この朗読を聞くとよい。「火うち箱」の日本語訳は検索してインターネットで読むことができる。「火うち箱」をエスペラントに翻訳したのはザメンホフである。ザメンホフはアンデルセン童話のすべてをエスペラントに翻訳している。
「小さいクラウスと大きいクラウス」Malgranda kaj granda Nikoと「裸の王様」La novaj vestoj de la reĝoもYouTubeにある。YouTubeには他にもエスペラントのアンデルセン童話を二つ見つけた。今後、YouTubeにエスペラントのアンデルセン童話は増えると思われる。
YouTubeにはエスペラント博士著『国際語』の中の読み物が二つある。
Ho mia kor'、2分6秒の歌とMia penso、2分10秒の朗読である。各々、YouTubeで「Ho' mia kor'」、「Mia penso」で検索すると、出てくる。
エスペラント語の発音を全て聞けるビデオがYoTubeにある。La alfabeto de Esperantoである。エスペラント語のアルファベットの発音と単語の例による発音がある。
まず、「火うち箱」Fajriloの朗読を繰り返し聞こう。これを繰り返し聞いておけば、エスペラント語を中断してもエスペラント語に戻れる。
「火うち箱」Fajriloになじんできたら、エスぺラント語によるウィキペディアvikipedioの項目Unua Libroを読んでみよう。エスぺラント語が生まれたころの歴史が分かる。
2014年7月3日、ツイッター(秀島哲雄@hidesximatecuo)を始めた。長い間エスペラントを使う生活をしている人たちのツイッターを見てみた。彼らに共通しているのは日本エスペラント協会の会員であるということである。日本エスペラント協会は「La Revuo Orientaエスペラント」という学習誌を年に十一回発行している。「La Revuo Orientaエスペラント」誌にはエスペラントと日本語の対訳読み物がある。これがエスペラント学習の主流なのである。エスペラントと日本語の対訳読み物でエスペラント生活をするためには16条の文法と単語を覚えるだけで充分である。
ザメンホフはエスペラントを教えたことはないのである。エスペラント博士著『国際語』によりできるようになるのは、朗読を聞くことと、母語とエスペラントの対訳で読むことである。朗読を聞けるようになることと対訳読書できるようになることがエスペラント普及の最初の目標なのである。初めから話すことを目標にすることをザメンホフは求めていなかったのである。

1.1 エスペラント博士著『国際語』が見つからなかったら『新ザメンホフ読本』

エスペラント博士著『国際語』は絶版になっていて手に入らないだろう。」と本頁に書いていたら、『新ザメンホフ読本』についての知らせがあった。

2011年2月9日 (水) 02時33分19秒
[名前] : la homo en la domo
[コメント] : はじめまして。エスペラントを学び始めて3ヶ月の者です。
「国際語」はエスペラント学会の図書販売部に何冊かおいてありましたよ。絶版な
のでしょうか?
そのほか、「新ザメンホフ読本」という冊子でも読むことができますし。こちらは
1000円くらいするものですが、エスペラント文でも書かれているので個人的に
は重宝してます。
「エスペラント楽習法」の記事を見て、一理あると思いました。こんなに早く簡単
に身につくものだと、もっと早く気づけていたらと後悔しています。エスペラン
トのことは何年も前から知っていたので。
…早く簡単にとはいえ、一応言語ですので腰をすえて学ばなければしっかり身に
つくものではありませんが、やはり英語などに比べると、体感的に身についてい
る、使えるようになっているスピードが違いますね。

JEIの『新ザメンホフ読本』の説明は次のとおりである。

Nova Zamenhofa Legolibro 新ザメンホフ読本 2009-12-18
編者 川西徹郎
発行所 日本エスペラント学会
発行年 2009
判型 A5判
頁数 215
価格 税込み価格 1000円 (本体価格 952円)
ISBN 978-4-88887-060-3
内容
ザメンホフ生誕150 周年記念,第96回日本大会(甲府)記念出版。内容は『第一書』,手紙,世界大会での演説,homaranismoなど。エスペラント と日本語の対訳。

「エスぺラント四週間」にはエスペラント博士著『国際語』の中の読み物Mia pensoとHo mia kor'がある。日本語訳がついている。La Esperoも日本語訳つきで出ている。16条の文法を読んで、「エスぺラント四週間」の中のMia pensoとHo mia kor'とLa Esperoを日本語訳とともに読むとよい。この三つはYouTubeで聞くことができる。Mia pensoHとo mia kor'とLa Esperoを存分に聞いてから、この他の箇所を日本語と対訳で読むとよい。設問も対訳で読んでよい。
「エスぺラント四週間」には「裸の王様」La novaj vestoj de la reĝoもある。「裸の王様」La novaj vestoj de la reĝoをYouTubeで聞くのをエスぺラント四週間」を学ぶ最初にするのがよい。

1.2 YouTubeでザメンホフの詩を聞いていれば、立派なエスペラント生活

YouTubeではザメンホフの詩Ho mia kor'、Mia pensoとLa Esperoを字つきで聞くことができる。この三つの詩を聞き続けるのは立派なエスペラント生活である。エスペラント生活の中心と言ってよい。
Kolekto de esperantaj poemojというウェブ・ページでザメンホフの詩を読むことができる。
Andreoesperoという人はエスペラントの1分くらいのビデオをYouTubeに多く投稿している。これらは発音練習に役立つ。
MAZI EN GONDOLANDOという漫画ビデオがある。これは時計を食べ物とするMAZIという大きな怪物が王女と庭師の恋を助ける物語りである。YouTubeで見られる。約10分ずつに分けてある。会話を聞いた後に字幕の説明がある。
第1回から第8回までが第一話「ゴンドランドのマジ」。全部で77分くらいである。第9回から第16回までが第二話「マジが帰ってきた」(MAZI REVENAS AL GONDOLANDO)。これは難しくなる。第17回と第18回は第三話の朗読。

2 『エスペラント原典』:16条文法・練習読み物・普遍辞書

YouTubeでザメンホフの詩を聞く習慣がついたら、『エスペラント原典』Fundamento de Esperantoに習熟するようにしよう。
1887年にエスペラント博士著『国際語』が発表された。1894年に「練習読み物」EKZERCAROと「普遍辞書」UNIVERSALA VORTAROが発表されたと聞く。
1905年に16条の文法、「練習読み物」EKZERCAROと「普遍辞書」UNIVERSALA VORTAROを合わせて『エスペラント原典』Fundamento de Esperantoとしたという。
「練習読み物」EKZERCAROの§1はアルファベット、§2,§3,§4は単語による発音練習、§5から§42は読み物である。§5から§42の読み物の前には新出単語の訳語がフランス語、英語、ドイツ語、ロシア語、ポーランド語で書かれている。
「普遍辞書」UNIVERSALA VORTAROのエスペラントの単語の説明も次のように、フランス語、英語、ドイツ語、ロシア語、ポーランド語で書かれている。

zebr' zèbre | zebra | Zebra | зебра | dziki koń.

英和辞典でzebraを調べて、「しまうま」という意味を知ることになる。これが94頁続く。1頁あたり30単語くらいを説明している。
普遍辞書UNIVERSALA VORTAROの英単語には所々に誤りがある。たとえば、
vulkan' volcan | vulcan | Vulkan | вулканъ | wulkan.のvulcanはvolcanoが正しい。
『エスペラント原典』Fundamento de Esperantoはインターネットに公開されている。
下の写真は『エスペラント原典』Fundamento de Esperanto(水星舎、ザメンホフ著)


2.1 ザメンホフの著書に出てくる単語のほとんどは『エスペラント原典』の「普遍辞書」の中にある

「普遍辞書」UNIVERSALA VORTAROの単語を覚えるために誰もが思いつく方法は、エスペラント日本語辞典の中の「普遍辞書」にある単語を見つけて印をつけることである。印がついた単語を覚えようというのである。
ザメンホフの著書に出てくる単語のほとんどは『エスペラント原典』の「普遍辞書」UNIVERSALA VORTAROの中にあるのである。ザメンホフが翻訳した読み物の単語のほとんども『エスペラント原典』の「普遍辞書」UNIVERSALA VORTAROの中にある。
ザメンホフはアンデルセン童話の全てを翻訳している。「火うち箱」Fajriloの朗読をYouTubeで聞いたら、知らない単語を「普遍辞書」UNIVERSALA VORTAROで調べるのもよい。次の話を日本語とエスペラントで読み比べるのもよい。いずれは知らない単語を「普遍辞書」UNIVERSALA VORTAROで調べることになる。

2.2 「練習読み物」EKZERCAROの書き取りと音読

「練習読み物」EKZERCAROの§1はアルファベット、§2,§3,§4は単語による発音練習、§5から§42は読み物である。§5から§42の読み物の前には新出単語の訳語がフランス語、英語、ドイツ語、ロシア語、ポーランド語で書かれている。
エスペラント博士著『国際語』の単語表を読んでおけば、「練習読み物」EKZERCAROでの新出単語は少なくなる。
音読は細切れの時間でできる。長い§の書き取りは20分くらいかかる。書き取りを先にすませておく方が楽である。§1、§2,§3,§4は音読だけでよい。
「練習読み物」EKZERCAROの書き取りと音読をする時期でも、朗読ビデオを聞く読むは続ける。
エスペラント : 未来の国際共通語には16条の文法とEKZERCAROの日本語による説明があります。「例文集」というのがEKZERCAROの日本語による説明です。

2.3 「練習読み物」EKZERCAROの改善

FUNDAMENTA KRESTOMATIOという読み物がある。その第一版の序文の日付は1903年4月である。その最初の読み物であるEKZERCOJは「練習読み物」EKZERCAROの§1§2§3§4§11§13§15§17§19§21§23を取り除いたものである。その他に次の違いがある。

§14のmiljaronをjarmilonに訂正する注がある。
§28のtablo ne estisをtablo estis neに訂正する注がある。
§32のglaso plena jeをglaso plena deに訂正する注がある。
§35のkovrita perをkovrita deに訂正する注がある。
§38のsin ne trovas montojをsin trovas ne montojに訂正する注がある。
§42のvia reĝa moŝtoをVia reĝa moŝto訂正する注がある。

ただし、インターネットのFUNDAMENTA KRESTOMATIOには訂正する注はない。
1905年にEKZERCAROを含む『エスペラント原典』Fundamento de Esperantoが定められた。その序文Antapŭaroloに変更してはならないと書かれている。
FUNDAMENTA KRESTOMATIOも「普遍辞書」UNIVERSALA VORTAROの範囲で読める。

2.4 エスペラント博士著『国際語』と『エスペラント原典』が有名になれば、エスペラントは広まる

私はツイッターに毎日、「エスペラント博士著『国際語』のHo mia kor'とMia pensoをYoutubeで聞いた」とか、「『エスペラント原典』Fundamento de Esperantoの練習読み物EKZERCAROの§42を音読した」というような発信を繰り返していた時期があった。
エスペラント博士著『国際語』と『エスペラント原典』を有名にすることだけに集中すれば、少ない金と時間でエスペラントを広められるのである。

3. エスペラントより前にヴォラピュクという難しい人工語があった

Drezen著『世界語の歴史 Historio de la mondolingvo』によると、エスペラントの発表より8年前にヴォラピュクという人工語が発表されたという。
ヴォラピュクの概要が『世界語の歴史』に書かれている。文法は規則的であるけど複雑である。単語は覚えにくい。一日で読める文法と語彙ではない。

3.1 ヴォラピュクの文法と単語は講師動員と試験を前提として決められた

ヴォラピュクのサークルがあったという。ヴォラピュクの講師になるための修了証書が発行されていたという。修了証書が発行されるためには試験が行われていたと思われる。
ヴォラピュクの創始者シュライヤーはカトリックの高位者であった。人と金を集められる地位にあったのである。そのため、ヴォラピュクの文法と単語は講師動員と試験を前提として決められたのである。

3.2 ヴォラピュクの普及活動がエスペラントの普及活動の手本になってしまった

ヴォラピュクからエスペラントに変えた人が多かったという。ヴォラピュクからエスペラントに変えた団体もあったという。その結果、ヴォラピュクの普及活動をエスペラントの普及活動の手本にしてしまったと思われる。
エスペラントの創始者ザメンホフは人を集める才能も金を集める才能もなかった。そのため、エスペラントは講師動員も試験も不要な文法と単語になった。
しかし、エスペラントを受け入れた人たちは。エスペラント博士著『国際語』と『エスペラント原典』が有名になればエスペラントは広まることに気づかなかった。

4. VikipedioのUnua Libroは重要

VikipedioのUnua Libroという項目を読めば、エスぺラントが生まれたばかりの時の歴史が分かる。これを知っている人はエスぺラント生活が続くのである。
2019年の書店で見かけるエスペラントの学習書は「エスぺラント四週間」と「ニューエクスプレス+ エスペラント」である。
「エスぺラント四週間」を使う人は最初に16条の文法を読んで、「裸の王様」La novaj vestoj de la reĝoをYouTubeで聞くのを繰り返すことから始める。その後にVikipedioのUnua Libroを読む。
「ニューエクスプレス+ エスペラント」を使う人も最初に16条の文法を読む。「ニューエクスプレス+ エスペラント」を使う時にVikipedioのUnua Libroを読めるようになるのを目標とする。VikipedioのUnua Libroを読めば、エスペラント生活をどうするか分かる。

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日出島哲雄(秀島哲雄)

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そのメールにはホームページの引越先が六つ紹介されていた。
2019年2月27日水曜日Yahoo!geocitiesから忍者ホーページhidesxima.ojaru.jpに引っ越し。
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2019年3月28日木曜日Yahoo!geocitiesから忍者ホーページhidesxima.ojaru.jpに転送設定。
2019年3月31日Yahoo!ジオシティーズのサービス終了